ロシア医薬品事情 |
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日本ブランドへの大きな信頼感が強みに |
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資源価格の高騰に合わせ着実な経済成長が続くロシア、原油価格が1バーレル当たり70米ドルを割らなければ成長は持続するといわれている。 医薬品市場はリーマンショック後17%に減じたがその後は20%成長を遂げている。ルーブル の切り下げで2012年度は下げたが金額ベースでは250億ドルと伸びている。 以前は80%以上を輸入に頼っていたが、このところ病院調達では75%、小売りでは80%を 自国生産でまかなうようになった来た。長いあいだ粗悪な輸入薬で悩み続けたロシア国民は良い 医薬品に費やすことには惜しまない習慣からも医薬品市場は持続的な伸びが予測できる。これらはロシアの医薬品市場における新たな現実、良い兆候であり、ロシアで売られる医薬品に対する消費者の不信感と、医薬品会社の短期的で輸入志向の政策は、今や過去のものとなった 小売り店、病院などの売り上げ、医薬品売上順位などはこのHPから参照することが出来る。
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製薬会社の優先課題に大きな変化 |
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ロシア国内で製造されていない医薬品を製造するための設備の輸入については「ゼロ関税受け入れ、付加価値税を撤廃するなどロシアの生産工場の現地化を支援する措置も講じられた。現時点では、「戦略的医薬品」の36.5%は外国企業のみによって生産されている。だが、ロシアは連邦政府のプログラムで、重要な医薬品の国内生産比率を最大90%まで引き上げる方針を打ち出している。これによって、ロシアの製薬会社は、これまでよりずっと長期的な優先課題に取り組むことになった。「ロシアの民間資本は今、積極的に新薬の開発に投じられている」。日露間の医薬品ビジネスのコンサルティングを務めるタイシ・グループのイゴーリ・ディヤチェンコ社長はこう語る「数年前であれば、製薬会社は投資に対する利益を上げるために、流通システムへの投資を重視すべきだったが、今では、ロシアで投資収益を得るためには生産に投資すべきだ。最近、ロシアの民間企業は独自の承認薬を生産するために研究開発に経営資源を集中させている。今はこれがロシアの医薬品市場で成功裏に発展を遂げる唯一の方法だ」それゆえ、民間の優良製薬会社PIKファルマは、2009年にサンクトペテルブルク近郊に自社工場を建設、2010年にはロシア南西部のベルゴロドで生産を開始し、2012年5月にはベルゴロドでの生産を倍増させると発表した。
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民間薬局が地位を確立、日本製の血圧計は人気商品 |
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1990年代には多くの民間薬局がモスクワなど各地でオープンしたが、ソ連時代の有名な国営薬局と比べ、信頼できず、値段が高いと見なされる結果になった。だが、旧来の「国営」薬局の品揃えがお粗末なことから、店舗数も多く顧客にとって便利な新たな薬局がようやく市場で地位を確1990年代後半になると、薬局(日本で言うところのドラッグストア)は人気商売となり、今では競争が激しくなったため、成功するために自らの利益を削りサービスを向上させている消費者も不信感を乗り越え、風邪薬や胃薬、鎮痛薬に特に多くのお金をかけるようになったこうした薬局では、人気の高い日本製の血圧計や体温計をよく見かける。日本製の化粧品や緑茶もちらほら見かける。だが、「日本製」の医薬品について言うなら、ロシアの消費者の間では全く認識されていない。ロシアで人気があり、よく売れている外国メーカーは、ハンガリー、ドイツ、フランス、ポーランド、そして時にインドの会社だ。しかしながら、ロシアの消費者が優良メーカーに対して強い信頼を寄せていること、さらにロシア製薬企業が販売ではなく生産に戦略投資を行おうとしていることから推察すると、日本の製薬企業がロシアの医薬品市場に進出するための好条件が2つ揃っていることが分かる。
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武田薬品やMeiji Seika ファルマが相次ぎ本格進出 |
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ロシアでは今年9月、武田薬品工業のロシア生産工場の起工式が行われた。実際には、武田が買収したスイスの製薬会社ナイコメッドから完成に近い段階で買い取った工場だ。式典には、長谷川閑史社長も出席し、テープカットした。だが、ロシアのパートナー企業との間で多かれ少なかれ対等な提携関係を築いた最初の日本の製薬会社は明治ホールディングスのグループ会社 Meiji Seikaファルマだ。同社は2012年5月に、ロシアの非上場企業アールファーマと戦略提携に関する合意文書に署名したばかり。両社は革新>的な高性能医薬品について、ロシアにおける共同開発、生産、マーケティングを計画している。Meiji Seika ファルマのような有力企業がロシア市場に強い関心を抱き、ロシアへの投資の力を認めたという事実は、今後の日露経済関係にとって極めて重要な要因だ。ロシアをほかの大きな新興国のインド、中国と比べると、例えばインドの消費者はまだ比較的高価な日本製医薬品を買うようなお金を持っておらず、インドでの生産はまだ無意味であること中国はインフレが昂進したり、コストが急騰したりすることがあり、その結果、中国ではもう何も安くなくなっている。さらに、日中間の提携は多くの場合、日本側のパートナー企業が追出される形で終わっている。
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ソ連崩壊前後の混乱で模造品が蔓延 |
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他国と比べた場合、1人当たりの年間支出では、ロシア人はまだ医薬品に向ける支出がかなり少ない(日本が650ドルなのに対し、ロシアは100ドル前後)。だが、ロシア経済発展貿易省の予想によると、ロシア人は2020年までにこの支出額を4倍に増やす見込みだ。近年のロシアの医薬品分野の歴史を振り返ると、それはかなり脆弱なものだった。薬を生産・販売し、市民に分配するソ連の国家制度は、1980年代後半に事実上崩壊した そこに新規参入者が登場し、空白の医薬品市場に新たな名前、ブランドが誕生した。 あの頃、ロシア人は国家崩壊と全般的な不安定さに関連した多くのストレスにさいなまれ、より多くの薬を摂取したが、まともな所得がないことから支出を抑えざるを得なかった。そこで悪徳メーカーが現れ、見た目の良い模造薬を低価で販売するという常套手段で大儲けした。1990年代半ばには、ロシア製の医薬品といわゆる「輸入薬品」の70%近くが模造品だった。 |
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「クスリ恐怖症」の時代 |
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それと同時に大勢のロシア人が、ロシア製の医薬品に対する信頼を失った。だが、いわゆる外国製医薬品の大半も実は模造品だったため、当時のロシアは本当に「クスリ恐怖症」の時代だったと言える。薬で助かるのか死ぬのか、誰も分からなかったのだ。手段を持っている人は、親戚や友人に頼み、命にかかわる重要な医薬品を外国から届けてもらったものだ。1990年代終わりには、ロシアメーカーの不正行為が露見するスキャンダルが相次いだ。 主な事件は、未承認の医薬品の生産と技術の盗用に絡むものだった。当時世間に名を馳せた人物の1人がウラジミール・ブリンツァロフ氏。ウォッカと医薬品の生産で巨富を築き、後にロシア下院議員を務め、大統領候補にもなった大物であるだが、時間が経つにつれ、この市場も次第に正常化が進み、2000年代初頭からは、公正な商慣行を促し、消費者を保護するための新規制が導入された。現在では、「2020年までの医薬品産業の発展戦略」と呼ばれるプログラムがロシア経済発展貿易省に承認されている。 |
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〔基本情報〕 ロシア大手通販サイトのオゾンは10月11日、自社ECサイトでの医薬品の販売を開始した。対象都市はモスクワ市とトベリ市の2都市のみの試験販売。それぞれの都市に倉庫兼薬局店舗を設置し、サイトからの注文に応じて顧客の自宅まで配送する。 一方、大手のヤンデックスとロシア最大手銀行ズベルバンクが共同運営するECサイト「ベルー」も、10月11日に医薬品の販売を開始した。こちらも地域限定で、モスクワ市とモスクワ州のみとなる。 ロシアのEC業界は、医薬品の通信販売に関する規制緩和を強く希望しており、インターネット販売企業協会は10月15日、医薬品とアルコール飲料の通信販売に関する法整備を急ぐよう求める要望書を下院の経済政策委員会に提出した。 |
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塩崎厚生労働大臣は、来日中のロシア連邦スクヴォルツォヴァ保健大臣との間で、「日本国厚生労働省とロシア連邦保健省との間の医療・保健分野における協力覚書」に署名を行い、 本日、プーチン大統領と安倍内閣総理大臣立ち会いの下、両大臣は協力覚書の交換を行いました。 協力覚書は、医療・保健分野における協力の基本的考え方を定めると共に、特に心臓病やがん等の非感染性疾患、初期医療・リハビリテーション及び緩和医療、母子の健康、医療に関する情報通信技術、医療従事者の技能向上、医療イノベーション技術と治療等の分野での協力を発展させるため、二国間協力の基礎となる内容になっている。 内容 日本国厚生労働省とロシア連邦保健省との間の医療・保健分野における協力覚書 Меморандум |
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2023年中期経済予測とロシア経済情勢の視点 2020年10月1日 | |||||||||||||||||
ロシア経済発展省は9月16日、2020年の実質GDP成長率予測をマイナス3.9%と発表した。原油価格の上昇や消費の回復などを背景に、前回予測(2020年6月)から0.9ポイント引き上げた。 経済発展省は2020~2023年の中期経済予測を発表した。財務省が策定する2021~2023年の3カ年予算のベースとなる基本経済指標に用いられるものは下記表に掲載した。 マクシム・レシェトニコフ経済発展相は、原油価格の上昇と、連邦政府や中央銀行が実施している大規模な支援措置により、昨年の予測時よりも経済は上向いていると指摘した。2021年については、第3四半期に新型コロナウイルス禍前の水準まで戻り、通年ではプラス3.3%に転じると述べた。一方、外需が鍵となるとし、世界経済動向やOPECの行方に左右されるとした。 国内の消費活動は、短期的には国民向けの支援措置が奏功し、前回予測時よりも落ち込みを小さくしている。2021年の小売商品売上高を前年比5.1%増とみているが、国民所得や賃金の伸び次第だとも述べた。 イタルタスより ロシアの経済の現状 2020/10/1 ロシアルーブル相場は、原油価格急落やリスク回避の加速により急落し、3月下旬には対円で一時1.3円台前半と、史上最安値へと下落しました。 主要産油国の協調減産延長をに伴う原油高や、外出制限の緩和もルーブルを押し上げました。その後、世界景気の回復期待が後退すると、ルーブルは軟化しました。7月24日に0.25%ポイントの利下げが決定され、追加利下げが示唆されると、ルーブルは再び下落しました。 9月に入り、原油価格が下落する中、2日にドイツのメルケル首相がロシアの野党指導者の毒殺未遂疑惑に関してロシアを非難し、対ロシア制裁の可能性が強まったこと、7日にベラルーシの反体制派指導者の拘束が伝えられたことなどを受け、ルーブルは下落しました。欧州で新型コロナウイルスの感染再拡大に対する懸念が強まる中、17日に欧州議会がベラルーシのルカシェンコ大統領の再選を認めないとしたことや、23日に米国がロシア企業を制裁対象に指定したこともルーブル安の要因となっています。 金融市場でロシア経済への信頼が低下しているなか通貨ルーブルは29日、対ドルで約半年ぶりの安値を付けた。欧米による制裁強化と新型コロナウイルスの第2波に警戒感が広がっている。政府は早期の経済回復を強調するが、プーチン政権への逆風は強まっている。 通貨ルーブルは29日に一時、1ドル=79ルーブル台後半と3月末以来の水準となった。1ドル=62ルーブル弱だった年初から下落した。対ユーロでも2016年1月以来の安値模様なった。国債では売りが優勢になり、ロシアの10年債利回りは価格下落により直近で6.3%程度と、5月中旬の5.4%台から上昇している。 通貨安に歯止めがかからない背景には制裁リスクへの警戒がある。ロシアの反体制派ナワリヌイ氏の毒殺未遂疑惑で同国は国際的な孤立を深めている。欧米は追加制裁も検討している。28日には欧州連合(EU)がウクライナを巡る対ロ制裁の対象を広げる方針で一致した。 8月以降、ロシアと関係が密接なベラルーシ情勢が悪化。旧ソ連のアルメニアとアゼルバイジャンでは9月27日から戦闘が続いており、ロシアを取り巻く国際情勢は不安定になっている。 コロナの第2波の兆しも拍車をかけた。1日当たりの新規感染者は9月上旬から増加に転じ、28日には約3カ月半ぶりに8000人を超えた。モスクワ市は65歳以上の市民らに外出自粛を呼びかけている。制限措置が復活し、経済活動が再び低迷する懸念がある。 政権は経済が回復に向かっていると強調し、支持率の維持に懸命だ。プーチン大統領は10日、経済問題の会議で「ロシアGDP(国内総生産)の落ち込みは他の先進国より少ない」と語った。経済発展省は16日までに20年通年の実質GDP予想を4.8%減から3.9%減に見直した。 しかし市場はプーチン氏や経済発展省の見通しに懐疑的である。ロシアが抱える政治リスクやコロナの状況に敏感になっている。オルロワ氏は「8月に景気回復が鈍化し、経済政策から先行きへの期待値も下がっている」とみられる。
21年末にコロナ前の水準(4.7%)への回復を目指す失業率も8月に6.4%と悪化が続いている。21年9月に予定する下院選に向けて、政権に対する国民の不満が膨らむ可能性がありそうである。 歳入不足を補うための増税も懸念材料だ。政府は連邦予算で20年にGDP比4.4%、21年に同2.4%の財政赤字を見込む。18年は同2.6%、19年は同1.8%の財政黒字だった。資源の採掘で企業に課す鉱物採掘税の増税などを検討し、コロナで悪化した企業活動をさらに低迷させるとの見方がある。 20年に及ぶプーチン体制下では経済の国家管理や資源輸出への依存が進んだ。クドリン会計検査院長官は21日、「ロシア経済はまだ国家に支配されている」と述べ、経済回復には国営企業の民営化といった改革に踏み込む必要があると訴えた。
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